阿波学会研究紀要


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郷土研究発表会紀要第36号
土成町の鳥類

鳥類班  増谷正幸(文責)1)

1.はじめに
 土成町は徳島県の北部に位置する。北部は讃岐山脈(阿讃山地)が東西に走り、香川県引田町・白鳥町と境を接し、東側は上板町、西側は市場町と接している。山地からは宮川内谷川・八丁谷川・九頭宇谷川などの谷川が流れ出し、扇状地状の平野を形成し、南部で吉野川流域平野に続いていて吉野町と接している。

 山地の最高点は 754.8m(上畑(かんばた))、最低点は約 15m(吉野川)で、植生は全域が暖温帯に属し、高い所は暖温帯上部になる。自然植生はほとんど残っておらず、大部分はアカマツ、コナラなどの二次林、ヒノキ、スギ植林、伐採跡の若い群落や造林地、果樹畑などである。ただ、北部山地上部の尾根付近には、シデ類、カエデ類など落葉広葉樹主体で、下部より大木の多い林が連なっている所があり、自然林的様相を呈している。マツ枯れが進み広葉樹主体の林相に移行しつつある所も多い。
 平野は水田、畑、果樹園、集落として利用されている。扇状地平野であるので川はほとんど天井川となっている。溜池が点在する。段丘崖や神社の森、集落や溜池の回り、天井川の土手にはエノキ、ムクノキなど本来の自然植生を偲ばせる群落が残存する。最近、土成工業団地が西部山麓に大規模に造成され、 四国縦貫自動車道が山麓を東西に連ぬいて建設される予定である。
 日本野鳥の会徳島県支部は、鳥類班として総合学術調査に参加し、土成町の野生鳥類を調査した。季節、高度、植生によって種類や個体数、生息状況が変化するため、1年間にわたる継続調査が必要である。1989年4月〜1990年1月に調査を実施した。

2.調査地区と調査方法
 山地に3か所、平野部に2か所調査コースを設定し、ライン・センサスを行なった(図1参照)。全長1〜2km、幅 50mの調査定線内で、姿又は鳴き声で確認し得た鳥の種類と個体数をすべて記録していった。調査コースは、歩き易く、人や車の往来の少ない道が望ましい。回数は多いほど良く、月1回ずつ3か年継続すればそのコースと周辺の鳥類相はほぼ把握できる。今回は1か年と日時の制約があり、可能な範囲で出来る限りの調査を行なうにとどまった。なお、山地の森林の場合、異なる植生帯ごとに調査出来れば生息鳥類と植生の関係も考えることができる。しかし土成町の場合、自然植生はほとんど残っておらず大なり小なり人手が入っているので、純粋な自然植生と鳥類の関係を調べることは困難である。そこで、土成町の山地全体の鳥類の生息状況はどうかということに主眼を置いた。その場合、鳥類相が多様であると思われる所を何か所か調べる必要がある。一般に鳥類相が豊かであるのは、広葉樹林か或いはそれにアカマツの混じった林と、それらの林縁(えん)部であると言われ、スギ・ヒノキ植林は非常に貧弱であると言われる。スギ・ヒノキ植林や伐採跡群落の鳥類相については、前年度の調査地・上那賀町で調査してあり、日時の制約もあるので今回は行なわなかった。
 宮川内谷川と吉野川は範囲を区切ってカウント調査を行なった。溜池やその他の場所についても可能な限り調査を行なった。

3.調査結果
 山地の林、平野部、宮川内谷川、吉野川、溜池など、地域・環境別に調査結果の概要を報告する。なお、ライン・センサス調査結果を示した表1〜5の確認個体数は、比較し易くするため全長1kmあたりに換算した値である。
(1)山地の林
 ライン・サンセスによる各調査コースの環境は次の通りである。
 [コース1 ]
 国土地理院発行地形図(昭和62年修正測量)には、宮川内谷川と相婦(あいぶ)谷の合流点付近から東へ向けて送電線が記されている。それにほぼ沿って山道があるので、そこを上板町との境まで調査した。送電線は現在撤去され北方につけ替えられている。コナラなど落葉広葉樹の多い二次林である。ホオノキが見られた。低木層はヒサカキなど常緑広葉樹も多い。上板町との境の尾根はアカマツがやや多くなる。8月にはザトウムシ類が多く見られた。コース全長約 1.5km。海抜高度約 310〜605m。

 [コース2 ]
 相坂谷沿いを、ヒノキ植林の多くなる手前まで調査した。コース全長約 1.7km。海抜高度約 180〜290m。ケヤキ、オニグルミ、エノキ、カエデ、クマノミズキ、ネムノキ、アカメガシワなど落葉広葉樹、カシ、カゴノキなど常緑広葉樹が多い。谷川沿いは、広けた林縁(えん)状になり低木や草本のヤブになっている。両側の山地は広葉樹が多い。アカマツも混じるが枯れているものもある。

 [コース3 ]
 上畑(かんばた)地区の「飛蔵山蔵王権現登山口」石柱を起点とし、山道を登り、「安政六巳未四月吉日 光明真言百萬遍家内安全祈所 御所上畠講中」の石碑のある尾根から右(北西)へ曲がり、754.8 の三角点を終点とした。コース全長約 1.3km。海抜高度約 420〜754.8m。起点から石碑近くまではヒノキ・スギ植林、竹林が多い。広葉樹二次林も所々にあり、アカガシ、ホオノキなどが見られた。谷に近い斜面にはケヤキ、オニグルミが見られた。イヌガヤかモミと思われる針葉樹もあるが、非常に少なく大木はない。人家跡があり、古くとも昭和41年頃までは住んでいたようである。畑・果樹畑の跡地、お墓もあり、かつては生活林として利用されていたと思われる。石碑の下から三角点までは広葉樹が多く、イタヤカエデなどカエデ類やイヌシデなど落葉広葉樹の高木の多い自然林状の所もある。ホオノキ、シラキ、シロダモ、クロモジ類、サワフタギ類、コウヤボウキ、ミヤマシキミなどが見られた。モミの幼木はあったが大木はない。

 

 [調査結果]


 各コースの鳥類相は、自然環境や高度の差などにより微妙に異なっているが、基本的には低山地の森林性のものを中心に林縁(えん)性のものが加わるという点で一致している。3コース共通の種類は20種で、留鳥性がキジバト、アオゲラ、コゲラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、イカル、カケス、ハシブトガラス(計13種)、夏鳥がホトトギス、ヤブサメ、センダイムシクイ(計3種)、冬鳥がミソサザイ、ルリビタキ、シロハラ、アオジ(計4種)である。ヤマガラとシジュウカラを比べると、後者の方が多い傾向にある。板野町・石井町野鳥の森・徳島市眉山では、いずれも前者の方が多いので興味深い現象といえる。ミソサザイは、県内の奥深い山地の渓流沿いの林で繁殖するが、土成町では繁殖期に確認されなかった。
 2つのコースで記録された種類では、トビが留鳥として平野部に近い山林で営巣繁殖すると思われ、サシバ、クロツグミ、キビタキ、オオルリ、サンコウチョウは夏鳥として渡来繁殖する。このうちクロツグミは山地の奥の方、オオルリ、サンコウチョウは渓流沿いで見られる傾向があった。キビタキは、繁殖期に確認されたのはコース3 のみであった。アオバトは、県内では山地の落葉広葉樹の多い自然林で繁殖期によく見られ、徳島市眉山などの低山でも記録があるが、今回の調査では秋冬期にしか記録されなかった。ツツドリは托卵性で、センダイムシクイを仮親とする例が多い。コース1 で5〜6月と継続して記録されたので繁殖可能性がある。
 コース1 では、ヤマドリとトラツグミが記録された。どちらもよく茂った広葉樹の多い林を好むので、良好な森林環境が残存することを示す指標鳥として重要である。コ−ス2 では、水系との結びつきが強いカワセミ、キセキレイが記録された。特に、カワセミが山奥の谷川で見られたのは興味深い。本種は、普通は平野部の水辺に生息するが、遠く離れた山中の土の崖に嘴で穴を掘って営巣することがあるからである。徳島市眉山の谷川でも記録がある。コサメビタキは森林性夏鳥であるが、記録されたのが5月16日のみで、渡り途中の個体かも知れず、当地で繁殖しているかどうかわからない。コ−ス3 では、ハチクマが記録された。本県では夏鳥として渡来繁殖するが、数が少ないので貴重である。メボソムシクイは、日本国内のブナ帯上部〜亜高山帯で繁殖するものと、ユーラシア大陸北部で繁殖する亜種(コメボソムシクイ)とがあり、県内の低山では春と秋に旅鳥として通過する。両者は、野外ではさえずり声で区別できる(前者はゼニトリ・ゼニトリ……、後者はジジロ・ジジロ……と聞こえる)。5月22日に2羽さえずっていて、どちらも後者であった。春の渡りの場合、前者の方が早く渡来し、後者は5月下旬〜6月上旬に多い。
 ライン・センサス調査コース以外の地域では、ミゾゴイ、コマドリ、ヒガラなどが記録された。ミゾゴイは、夏鳥として渓流沿いのよく茂った林に生息する。主に夜間活動しサワガニなど水生動物を捕食する。ケヤキなど大木の枝に営巣する。このことは、土成町にも本種が生息出来るような自然がまだ残っていることを示唆するものである。1983年に鴨島町で繁殖確認されている。コマドリは本町では旅鳥として一時立寄る。ヒガラは、県内では山地のモミ、ツガなど天然性針葉樹大木の多い林に留鳥として生息する。4月17日に本町と上板町、香川県引田町との境界付近の北方でさえずり声が聞かれたが、場所は特定できなかった。現在、土成町には本種の生息に適した森林はほとんどないが、林床にはモミやイヌガヤの下生えがかなり見られるので、数十年以上自然に任せれば普通に生息するようになるかもしれない。

(2)平野部
 ライン・センサスによる各調査コースの環境は次の通である。
 [コース4 ]
 原田市の国道318号線から熊谷川沿いに北西へ少し行った地点を起点とし、北方へ細い車道沿いに調査した。土成中学校の西方を通り、県道船戸切幡上板線との合流点を終点とした(原田市→一本松→芝生→坂尻)。コース全長約 1.5km。海抜高度約 39〜63m。水田と麦、タバコなどの畑地が多く、カキ、モモ、ウメなど果樹畑やビニールハウス(トンネル)もあり、人家が何軒かある。5月9日は麦畑が多かった。9月25日にはまだ稲刈りはしていなかった。12月7日はビニールハウス(トンネル)が目立った。コースの南半分は西方に熊谷川(天井川)があり、土手などにエノキ、ムクノキ、センダン、キリなどの木立ちがある。クヌギの植込みもあり、砂利山にはエノキ、クサギ、ヌルデなどがはえる。

 [コース5 ]
 「四国のみち」沿いを調査した。四国霊場第9番札所法輪寺を起点とし、北へ若一王子神社を経て、広い農道との合流点を終点とした(田中→矢松→実安→美緑→大法寺→北原)。コース全長約 2.0km。海抜高度約 31〜95m。水田が多い。10月26日には稲刈りは大体終わっていた。人家が何軒かある。所々にエノキ、センダンなどの木立ちがある。法輪寺にはイチョウ、クスノキ、クロガネモチなどが植わっている。若一王子神社はヒノキがびっしり植えられているが、ムクノキ、シイ、クスノキも見られた。コース中間地点付近には池がいくつかあり、岸辺はヤナギなどの木立や草ヤブになっている。終点近くは、東側が柑橘類やモモの果樹畑となり、西側は土成工業団地である。工場ができている所もあるが、まだ造成地の所が多い。

 [調査結果]

 特定の数種類で生息数の大部分を占める傾向にある。コース4 の5〜9月にそれが著しく現われている。ツバメ、スズメ、ムクドリの3種で全体の 73〜83%を占める。コース5 では種類数がやや多くなる。両コース共通の確認種は20種で、留鳥系がキジバト、ヒバリ、モズ、セッカ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、トバト(計10種)、繁殖期にも生息するが秋冬期に増えるものがヒヨドリ、カワラヒワ、イカル(計3種)、夏鳥がアマサギ、ツバメ(計2種)、冬鳥がハクセキレイ、タヒバリ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス(計5種)である。農耕地や人家の多い人里と、林縁(えん)・草地的環境を好む種類である。スズメとツバメは、人家や家畜舎に営巣し古来人間との結びつきが強い。ムクドリは、本来は樹洞に営巣するが、大木や古木が少なくなった現在は人家の隙間や戸袋に営巣するようになった。非繁殖期には、その年生まれの若鳥を主に大きな群れを作って生活する。ヒバリは丈の短い草地を好む。田植えをした後、稲を刈るまでの間の水田は、このような環境が少なくなるので生息数が減るようである。木の実が熟す秋冬には、ヒヨドリ、ツグミ、メジロ、ムクドリなどが実を食べに、イカル、シメはその種子を食べに集まって来る。

 コース4 と5 を比べると、生息数はよく似ているのに、種類数は5 のほうが多い。特に、スズメ目以外の種類(サギ、クイナ、チドリ、シギ、カワセミ類)において顕著である。これは両者の環境の差によるものである。用水や小川がコンクリート護岸されている点では同じである。しかし、4 には他にほとんど水系がないのに対し、5 には小さいながら池が幾つかあり、岸辺が湿地や草ヤブになっていたり、ヤナギなど樹木が生えている所がある。このような水系に加え、まとまった木立ちがあれば鳥類相は多様になる。経済効率優先の立場から見れば、このような‘遊んでいる’土地は無駄としか映らず、開発によりつぶされて行く運命にある。しかし、鳥も含めた種々の野生生物にとっては大切な生活の場である。採餌、給水、水浴び、休息、隠れ場所、ねぐら、営巣繁殖という生活に必要不可欠な要素を満たすためには、様々な環境がなければならない。これらの要素を満たす環境のうち1つでも欠ければ、そこは生活に適した場所とはいえなくなり、生息種が次第に減っていき、ついには適応力の強い数種のみによって占められるに至るのである。ドバトは自然が破壊され人工的な環境が多くなるにつれて数が増え、農作物を食害したりフン公害を起こしたりする。羽ノ浦町や石井町の平野部では多く見られる。土成町ではまだそんなに多くはない。
 なお、6月29日と7月6日には、田植えの終わった水田の中にカブトエビとホウネンエビが見られた場所があった。

(3)宮川内谷川
 宮川内谷川が平野部へ流れ出してから下流部を調査した。神田橋を起点とし、2万5千分1地形図「市場」の東端を終点とした。堤防上から河川内をカウント範囲とした。姿又は鳴き声で確認したもののうち、ここに生活の全部〜一部を依存していると思われるものの種類と個体数を記録した(表6参照)。全長約1.9km。海抜高度約50〜30m。流水付近はツルヨシなど湿性高茎草本群落となり、河川敷一面をびっしりおおっている所もある。堤防に近づくにつれて乾性草本群落となり、樹木を混じえるようになる。堤防付近は所々樹木が生え、草ヤブになっている。樹木はヤナギ、エノキ、ムクノキ、センダン、オニグルミ、アキニレ、アカメガシワ、ヌルデなどが見られた。所々に堰がある。
 カイツブリ、ゴイサギ、コサギ、アオサギ、バン、コチドリ、クサシギ、イソシギ、カワセミ、キセキレイ、セグロセキレイなど、水系に依存する度合の強い種類がかなり記録された。林縁(えん)的環境を好む種類も多い。その点、コース5 によく似ているが種類数は多い。冬期に種類、生息数とも増える。ヒヨドリ、シロハラ、ツグミ、メジロ、イカルなどが、ムクノキ、エノキ、センダンなどの木の実や種子を食べに集まって来る。水辺で水浴や羽づくろいをしているのも見られた。ホオジロ類(ホオジロ、カシラダカ、アオジなど)もこのような環境を好み、冬期は主としてイネ科草本の種子を食べる。オオヨシキリのツルヨシ群落での生息が予想されたが、なぜか見つからなかった。ただ、より下流と、西方のトウモロコシ畑で記録された。なお、1990年1月17日に、クイナとホオアカが記録された。共に数少ない冬鳥である。湿地や原野状の草地が少ない土成町にあって、宮川内谷川の自然環境が重要であることを示すものである。

(4)吉野川
 大字郡(こおり)地区の九頭宇谷川と指谷(さしだに)川が吉野川に合流する地点から、南の善入寺島の一部にかけて小面積ながら土成町に含まれるのでそこを調査した。吉野川北岸堤防から見渡して、姿又は鳴き声で確認した鳥の種類と個体数をすべて記録した(表7参照)。調査精度が粗かったので、いわゆる小鳥類についてはすべて確認出来なかったと思われ、夜間活動する稀少種も見落した可能があるが、およその鳥類相は把握できたと思われる。
 カイツブリ、サギ類、バン、シギ類、コアジサシ、カワセミなど水辺・湿地性、カッコウ、セッカなど原野性の種類や、ヨシ原を好むオオヨシキリが生息する。コアジサシは、川面上空を停空飛翔し、小魚を見つけると飛び込んで捕える。吉野川中洲の砂レキ地で営巣繁殖する。土成町に営巣地はないが、1985年石井町の調査で営巣地が確認されている。他にも幾つかあると思われる。カッコウも、石井町の調査でオオヨシキリの巣にヒナが発見され、徳島県で初めて繁殖確認された。今回、6月29日に善入寺島でさえずり声が聞かれたので付近で繁殖(托卵)している可能性がある。さらに詳しい調査が必要である。
(5)溜池
 土成町には幾つか溜池があるので、それらを可能な限り調査した。その結果、カイツブリ、ゴイサギ、チュウサギ、コサギ、ヒクイナ、バン、カワセミ、ツバメ、キセキレイが確認された。自然の水系が少ない本町にあって、溜池は、水辺・湿地性鳥類の貴重な生息地である。しかし、周囲が開かれたり、岸辺がコンクリート護岸になり、水が汚染されるとほとんど住めなくなる。なお、具体的な記録については「鳥類目録」を参照されたい。
(6)その他
 生息が期待されながら確認されなかった種類は、ヨシゴイ、カルガモ、アオバズク、フクロウ、ヨタカ、コシアカツバメ、サンショウクイ、カワガラスなどであった。もともと数が少なかったり、夜間活動したり、より良好な自然環境を好む種類であるので、もっと詳しく調査してみないと土成町に生息しているかどうか判断出来ない。確認はされたが繁殖期の記録がなかったものは、ヒクイナ、アオバト、ヤマセミ、イワツバメ、ミソサザイ、コサメビタキなどであった。ヒガラは1例しか記録がなく場所も特定出来なかった。山地に生息する種類について、1987年に調査した板野町と比較してみると、サンショウクイ、カワガラス、ミソサザイ、コサメビタキ、ヒガラなどについてはほぼ同じ結果が得られ共通点が多い。
なお、コース1 〜3 周辺のほか、各地の山地の谷川上流部の水たまりで、ホトケドジョウが見られた。

4.まとめと提言
(1)まとめ
 土成町の山地は、原生林はほとんどないが、広葉樹の多い林やそれにアカマツの混じる林には、周辺の谷川や林縁(えん)部も含めてかなり多種多様な鳥類が生息する。しかし、森林伐採跡やヒノキ・スギ植林が広く見られ、山地の開発、土木工事も行なわれているので、生息環境は良好とは言い難い。生息が期待されながら確認されなかったり、繁殖期に確認されなかった種類も幾つかあった。
 平野部は、扇状地であるため小河川は天井川となり、大雨になると出水時に洪水を起こす恐れがあるので、ほとんどコンクリート護岸されている。普段は水の流れはほとんどない。そのため鳥類相は貧弱であると予想されたが、樹木のまとまった木立ちがあったり、池があって岸辺に木立ちや湿地、草地、泥地がある所では鳥類相はかなり多種多様であった。しかし、四国縦貫自動車道が建設され、工場誘致などの開発が進み、都市化して人工的な環境が増えると、人々が住みづらくなると共に、鳥類や他の野生動物の生息状況も急速に悪化すると考えられる。そうなれば、環境の悪化や人工化の指標鳥であるドバトなどはかえって増加するであろうけれども、より良い自然環境に生息する動物は次第に姿を消していくであろう。
(2)提言
1  山地北部の上の方に残るシデ、カエデ類など落葉広葉樹主体の自然林に近い林は、これ以上減らすことなく残していただきたい。
2  コナラなど広葉樹主体の二次林は、利用する場合、林相を維持出来るような生態系を尊重したエコロジー的持続的利用方に拠っていただきたい。
3  マツ枯れは原則として放置し、自然の遷移による植生の回復に任せ、利用する場合は2 に準じる。
4  平野部に残存する木立ちや溜池は、野生生物相を豊かにし、人々にとっても良好な環境を維持するのに寄与しているので、周囲を人工化せず積極的に保護すべきである。
5  宮川内谷川と吉野川は、少なくとも現在の自然環境が維持されるよう望みたい。
(調査参加・協力者氏名)市原眞一、郡和治、曽良寛武、新居正利、増谷正幸、八巻吉子

5.土成町鳥類目録
 1989年4月〜1990年1月に記録された種名を掲げる。繁殖確認例、貴重な種類、興味深い行動、本文や表であまり触れられなかった種類については、紙数の許す限り具体的な記録(観察年月日、場所・地名、地図メッシュ番号、海抜高度、個体数、行動、観察者名)を入れるよう努めた。地図メッシュ番号は、5万分1地形図「三本松」、「川島」を縦、横それぞれ20等分し、さらに縦、横それぞれ2等分してできたメッシュ(a〜d)を単位として記録地を表わしている(図1参照)。なお、種名の後の◎印は土成町での繁殖が確実なものを、○印は繁殖可能性があるものを示す。

   カイツブリ目 PODICIPEDIFORMES
 カイツブリ科 PODICIPITIDAE
1.カイツブリ Podiceps ruficollis  ◎
 1989.4.26 北池(土成大法寺)[I4c] 73m 1 さえずり声〈増谷〉
 1989.5.1 大池(浦池)[H2b] 75m 3〈市原,増谷〉
 1989.5.1 神明(しんめい)池(秋月)[K2c] 40m 1〈市原,増谷〉
 1989.5.1 間谷(またに)池(水田)[J2a] 60m 4ヒナ・2成鳥〈市原,増谷〉
 1989.5.1 指谷(さしだに)栄池(秋月明月(めいげつ))[I2d] 110m 1〈市原,増谷〉
 1990.1.17 耕整東池(土成前田)[H4d]90m 2 潜って小魚を捕食〈曽良〉

   コウノトリ目 CICONIIFORMES
 サギ科 ARDEIDAE
2.ミゾゴイ Gorsakius goisagio  ○
 1989.4.4 上畑(かんばた)[B2b] 450m 1 渓流の岩の上〈市原,増谷〉
 1989.5.16及び6.20 相坂谷[D2a] 400m 1 木の枝から飛去〈増谷〉
3.ゴイサギ Nycticorax nycticorax
 1989.5.1 神明池(秋月)[K2c] 40m 5 池畔の木の枝〈市原,増谷〉
4.ササゴイ Butorides striatus
 1989.6.29 南郡(こおり)[L3b〜L4c] 18m 4+ 竹やぶにとまる〈増谷〉
5.アマサギ Bubulcus ibis
 1989.6.20 吉田原田市[J5c] 40m 10 水田に〈増谷〉
 1989.8.25 土成田中[J3b] 35m 7 耕運機の後をついて歩き採餌〈増谷〉
 1989.8.25 土成大法寺[H4d] 90m 4 土成工業団地土手の草地〈増谷〉
 1989.9.25 宮川内下り松[I6c] 40m 4 畑地に〈増谷〉
6.ダイサギ Egretta alba
7.チュウサギ Egretta intermedia
 1989.5.1 神明池(秋月)[K2c] 40m 1 池畔の木の枝〈市原,増谷〉
 1989.8.25 中郡[L3a] 19m 2 水田地帯から飛び立つ〈増谷〉
8.コサギ Egretta garzetta
 1989.12.7 宮川内谷川[I6b] 30m 1 魚をつかまえたがハシボソガラスにしつこくすり寄られ、くわえていたのを落としてしまい横取りされる〈増谷〉
9.アオサギ Ardea cinerea
   ワシタカ目 FALCONIFORMES
 ワシタカ科 ACCIPITRIDAE
10.ハチクマ Pernis apivorus  ◎
 1989.6.29 鈴川[H4d] 130m 2 上空帆翔〈増谷〉
 1989.7.14 上畑(かんばた)[B2d〜C2c] 740m 1 上空でピエーと鳴く〈曽良〉
11.トビ Milvus migrans  ◎
 1989.5.22 上畑[B2c] 650m 1 上空飛翔〈市原,増谷〉
12.ノスリ Buteo Buteo
 1990.1.17 浦池奥ノ宮[H3c] 100m 1 上空帆翔〈曽良,増谷〉
13.サシバ Butastur indicus  ◎
   キジ目 GALLIFORMES
 キジ科 PHASIANIDAE
14.コジュケイ Bambusicola thoracica  ◎
15.ヤマドリ Phasianus soemmerringii  ◎
 1989.4.10 相坂谷[C2b] 500m 1 ドドドという羽音〈市原,増谷〉
 1989.5.2 [C6b] 530m 1 広葉樹アカマツ混交林でドドドという羽音〈増谷〉
16.キジ Phasianus colchicus  ◎
 1989.5.16 原田市[J5c] 45m 1 さえずり声〈増谷〉
   ツル目 GRUIFORMES
 クイナ科 RALLIDAE
17.クイナ Rallus aquaticus
 1990.1.17 宮川内谷川[H5b] 48m 1 水ぎわの湿地〈曽良,増谷〉
18.ヒクイナ Porzana fusca  ○
 1989.10.26 田深池(土成美緑(みろく))[J4c] 43m 1 水ぎわで羽づくろい〈増谷〉
19.バン Gallinula chloropus  ◎
 1989.4.26 北池(土成大法寺)[I4c] 73m 3〈増谷〉
 1989.10.26 田深池(土成美緑)[J4c] 43m 2亜成鳥・3若鳥 水ぎわ〈増谷〉

   チドリ目 CHARADRIIFORMES
 タマシギ科 ROSTRATULIDAE
20.タマシギ Rostratula benghalensis  ◎
 1989.8.25 土成実安[I4d] 50m 1♀・1♂ 水田に〈増谷〉
 チドリ科 CHARADRIIDAE
21.コチドリ Charadrius dubius  ◎
 1989.4.26 土成大法寺[I4c] 80m 2 鳴きながら飛回ったり、土〜泥の空地に下りたりする。一方が他方を追い払う〈増谷〉
 1989.5.9及6.29 土成大法寺[H4d] 95m 3 土成工業団地造成地〈増谷〉
 1989.7.6 高尾林坊(りんぼう)[I7d] 30m 5± 宮川内谷川北岸の造成地〈増谷〉
22.イカルチドリ Charadrius placidus
23.タゲリ Vanellus vanellus
 1989.12.18 土成美緑[I4d] 50m 2 家畜のフンをまいた田に〈増谷〉
 シギ科 SCOLOPACIDAE
24.クサシギ Tringa ochropus
25.キアシシギ Tringa brevipes
26.イソシギ Tringa hypoleucos
27.タシギ Gallinago gallinago
 カモメ科 LARIDAE
28.コアジサシ Sterna albifrons

   ハト目 COLUMBIFORMES
 ハト科 COLUMBIDAE
29.キジバト Streptopelia orientalis  ◎
30.アオバト Sphenurus sieboldii
 1990.1.17 宮川内見坂[F5d] 90m 4 アラカシどんぐりを食す〈曽良〉

   ホトトギス目 CUCULIFORMES
 ホトトギス科 CUCULIDAE
31.カッコウ Cuculus canorus  ○
32.ツツドリ Cuculus saturatus  ○
 1989.5.22 上畑[C2c] 720m 2 さえずり合う〈市原,増谷〉
 1989.5.29 [D2a] 600m 1 広葉樹林の木の枝にとまる〈市原,増谷〉
 1989.6.12 [D6a] 580m 1 さえずり声〈市原,増谷〉
33.ホトトギス Cuculus poliocephalus  ◎
 1989.5.22 上畑[B2c] 659m 1 ウグイスに追われ飛去〈市原,増谷〉

   アマツバメ目 APODIFORMES
 アマツバメ科 APODIDAE
34.アマツバメ Apus pacificus

   ブッポウソウ目 CORACIIFORMES
 カワセミ科 ALCEDINIDAE
35.ヤマセミ Ceryle lugubris
 1989.11.27 八丁谷[E4a〜E5c] 150m 1 川面を飛ぶ〈増谷〉
36.カワセミ Alcedo atthis  ◎
 1989.4.26 耕整西池(土成北原)[H4d] 90m 1〈増谷〉
 1989.6.20 相坂谷[D3c] 290m 1 谷川上流方から飛んで来る〈増谷〉
 1989.8.25 田深池(土成美緑(みろく))[J4c] 45m 1 岸ののヤナギに〈増谷〉
 1990.1.17 大池(浦池)[H2b] 75m 1 岸辺の枯草にとまる〈曽良,増谷〉

   キツツキ目 PICIFORMES
 キツツキ科 PICIDAE
37.アオゲラ Picus awokera  ◎
 1989.4.10 [D2a] 600m 2 落葉広葉樹の幹にとまる〈市原,増谷〉
 1989.5.29 [D2d] 430m 2 太い枯れアカマツの幹から飛び去る。巣穴が開いていた〈市原,増谷〉
38.コゲラ Dendrocopos kizuki  ◎

   スズメ目 PASSERIFORMES
 ヒバリ科 ALAUDIDAE
39.ヒバリ Alauda arvensis  ◎
 ツバメ科 HIRUNDINIDAE
40.ツバメ Hirundo rustica  ◎
41.イワツバメ Delichon urbica
 セキレイ科 MOTACILLIDAE
42.キセキレイ Motacilla cinerea  ◎
43.ハクセキレイ Motacilla alba
44.セグロセキレイ Motacilla grandis  ◎
45.タヒバリ Anthus spinoletta
 ヒヨドリ科 PYCNONOTIDAE
46.ヒヨドリ Hypsipetes amaurotis  ◎
 1989.6.29 郡(こおり)宝田[K3b] 20m 2 人家横のイチジクの木に入る〈増谷〉
 1989.8.22 [D5a] 330m 4 給餌。親子とも頭の羽毛が禿げている〈増谷〉
 1989.12.18 土成大法寺[I4d] 65m 2 ピラカンサの実を食す〈増谷〉
 1990.1.12 宮川内谷川[H5b] 50m 33+ センダンの実を食す〈増谷〉
 モズ科 LANIIDAE
47.モズ Lanius bucephalus  ◎
 ミソサザイ科 TROGLODYTIDAE
48.ミソサザイ Troglodytes troglodytes
 イワヒバリ科 PRUNELLIDAE
49.カヤクグリ Prunella rubida
 1989.11.16 上畑(かんばた)[B2d] 750m 1〈曽良,増谷〉
 1989.11.16 上畑[B2b] 420m 2 林縁(えん)部の木の枝〈曽良,増谷〉
 ヒタキ科 MUSCICAPIDAE
 (ツグミ亜科 TURDINAE)
50.コマドリ Erithacus akahige
 1989.4.10 相坂谷[C2b] 500m 3 さえずり声〈市原,増谷〉
 1989.4.17 [A5d] 350m 1 さえずり声〈市原,増谷〉
 1989.4.26 鈴川[F4d] 480m 1 さえずり声〈市原,増谷〉
51.ノゴマ Erithacus calliope
 地元の人が1989年秋に見た。
52.ルリビタキ Tarsiger cyanurus
 1989.4.10 [D2c] 580m 1 落葉広葉樹の多い林で〈市原,増谷〉
53.ジョウビタキ Phoenicurus auroreus
54.ノビタキ Saxicola torquata
 1989.10.26 土成田中[J3a] 38m 1 杭や草の先にとまり時々地上へ〈増谷〉
55.トラツグミ Turdus dauma  ○
 1989.6.12 [D6a] 550m 1 さえずり声
56.クロツグミ Turdus cardis  ◎
 1989.5.29 [D2c] 580m 1 広葉樹の多い林でさえずり声〈市原,増谷〉
 1989.6.12 [D6a] 500m 1 さえずり声〈市原,増谷〉
 1989.7.14 上畑[C2c] 680m 1♂+2 落葉広葉樹の多い林〈曽良,増谷〉
57.シロハラ Turdus pallidus
 1989.5.2 [C7c] 570m 1 広葉樹とアカマツの混交林で〈増谷〉
58.ツグミ Turdus naumanni
 (ウグイス亜科 SYLVIINAE)
59.ヤブサメ Cettia squameiceps  ◎
60.ウグイス Cettia diphone  ◎
 1989.5.29 [D2d] 450m 1巣・5卵・1♀ ヒノキ林の道端〈市原,増谷〉
61.オオヨシキリ Acrocephalus arundineceus  ◎
 1989.7.6 吉田涼(すずみ)堂[H5b] 60m 1 密植されたトウモロコシ畑(水田農業確立対策転作田・飼料ナンバ・739平方メートル)でさえずる。周囲は水田、梅・柿・ビワ園、大豆・スイカ畑、センダンの茂みなど〈増谷〉
 1989.7.6 宮川内谷川[I7d] 25m 1 ツルヨシ群落でさえずり〈増谷〉
62.メボソムシクイ Phylloscopus borealis
 1989.5.22 上畑(かんばた)[C2c] 680〜720m 計4(うち2、亜種コメボソムシクイのさえずり声) 落葉広葉樹の多い林で〈市原,増谷〉
63.エゾムシクイ Phylloscopus tenellipes
 1989.5.2 [D6c] 350m 1 広葉樹の多い林でさえずり声〈増谷〉
64.センダイムシクイ Phylloscopus occipitalis  ◎
 1989.6.20 相坂谷[E4c] 200m 1さえずり・1幼鳥+1〈増谷〉
65.キクイタダキ Regulus regulus
 1989.11.16 上畑[C2c] 650m 4± スギ林で〈曽良,増谷〉
66.セッカ Cisticola juncidis  ◎
 (ヒタキ亜科 MUSCICAPINAE)
67.キビタキ Ficedula narcissina  ◎
 1989.7.14 上畑[B2b] 500m 1♂ 餌をくわえてさえずる〈曽良,増谷〉
 1989.7.14 上畑[C2c] 670m 1 広葉樹の多い林でさえずり〈曽良,増谷〉
68.オオルリ Cyanoptila cyanomelana  ◎
69.コサメビタキ Muscicapa latirostris  ○
 1989.5.16 相坂谷[E4c] 200m 1 広葉樹の枝にとまる〈増谷〉
 (カササギヒタキ亜科 MONARCHINAE)
70.サンコウチョウ Terpsiphone atrocaudata  ◎
 1989.5.29 八丁谷[E2c] 290m 1 さえずり声〈市原,増谷〉
 1989.6.20 相坂谷[E4c] 200m及び[D3a] 270m 計2 さえずり〈増谷〉
 1989.8.22 [D6c] 360m 1幼鳥 広葉樹の多い林で〈増谷〉
 エナガ科 AEGITHALIDAE
71.エナガ Aegithalos caudatus  ◎
 シジュウカラ科 PARIDAE
72.ヒガラ Parus ater  ○
 l989.4.17 [B7d] 600m 1 さえずり声〈市原,増谷〉
73.ヤマガラ Parus varius  ◎
 1989.10.5 相坂谷[D3a] 260m 1 マツの種子をくわえて茂みへ〈増谷〉
74.シジュウカラ Parus major  ◎
 1989.11.27 相坂谷[D4d] 220m 2 ハゼの実を足にはさんでつつく〈増谷〉
 メジロ科 ZOSTEROPIDAE
75.メジロ Zosterops japonica  ◎
 1989.10.5 相坂谷[D3a] 260m 6± アケビの実をつつく〈増谷〉
 ホオジロ科 EMBERIZIDAE
76.ホオジロ Emberiza cioides  ◎
77.ホオアカ Emveriza fucata
 1990.1.17 土成田中[J3b] 35m 1♀ 道ばたの溝の上に〈曽良,増谷〉
 1990.1.17 宮川内谷川[H5b] 50m 1 草ヤブで〈曽良,増谷〉
78.カシラダカ Emberiza rustica
79.ミヤマホオジロ Emberiza elegans
 1989.11.27 相坂谷[D3b] 230m 7 ススキ、イタドリの種子をついばむ〈増谷〉
80.アオジ Emveriza spodocephala
81.クロジ Emberiza variabilis
 1989.4.10 [D2a] 590m 1♂ 落葉広葉樹林林床で〈市原,増谷〉
 アトリ科 FRINGILLIDAE
82.アトリ Fringilla montifringilla
83.カワラヒワ Carduelis sinica  ◎
84.マヒワ Carduelis spinus
 1989.4.10 上畑[B2b] 430m 10+ スギ、ヒノキに集まる〈市原,増谷〉
85.ベニマシコ Uragus sibiricus
 1989.11.16 上畑[C2c] 640m 1♀・1♂ 林縁(えん)の低木枝先〈曽良,増谷〉
 1990.1.8 相坂谷[D3b] 240m 2♀ 低灌木林〜ヤブ状地で〈増谷〉
86.ウソ Pyrrhula pyrrhula
 1989.4.10 [D2c] 580m 10+ 新芽の出かけたコナラなどに〈市原,増谷〉
87.イカル Eophona personata  ○
 1990.1.12 宮川内谷川[H6d] 45m 40+ 水辺で水飲んだり水浴する〈増谷〉
 1990.1.8 宮川内平間[E5c] 140m 11 ムクノキ樹下で落果を食す〈増谷〉
88.シメ Coccothraustes Coccothraustes
 1989.4.26 土成北原[H4d] 95m 1 耕整西池岸辺のクヌギ枝に〈増谷〉
 ハタオリドリ科 PLOCEIDAE
89.スズメ Passer montanus  ◎
 ムクドリ科 STURNIDAE
90.ムクドリ Sturnus cineraceus  ◎
 1989.5.9 建布都・西之宮神社(南郡)[L3b] 18m 10+ クスノキの樹洞をめぐって争う。巣材を奪って行くものあり〈増谷〉
 1989.12.7 吉田一本松[I4b] 58m 80+ 柿園で実と落果を食す〈増谷〉
 カラス科 CORVIDAE
91.カケス Garrulus glandarius  ◎
92.ハシボソガラス Corvus corone  ◎
 1989.12.7 原田市[J4a] 40m 4 ビニールハウス(トンネル)についた霜を嘴でそぎ取って食す〈増谷〉
93.ハシブトガラス Corvus macrorhynchos  ◎

 (野生化種)
94.ドバト カワラバト(Columba livia)を家禽化したものが国内に持込まれ野生化したもの  ◎
 (追加)

   ガンカモ目 ANSERIFORMES
 ガンカモ科 ANATIDAE
95.オシドリ Aix galericulata
 1989.12.13 宮川内谷川[F5d] 90m 9 川面から飛び立ち上流へ〈増谷〉
 1990.1.8 宮川内谷川[F5c] 100m 2 岸辺の木の枝〈増谷〉

参考文献
1)増谷正幸 1984 鴨島町の野鳥 総合学術調査報告「鴨島町」 郷土研究発表会紀要 第30号 阿波学会・徳島県立図書館 P.57,61,63〜64
2)増谷正幸 1985 羽ノ浦町の野鳥 以下同上 第31号 P.57〜73
3)増谷正幸 1986 石井町の鳥類 以下同上 第32号 P.63〜64,69,70〜71
4)増谷正幸 1988 板野町の鳥類 以下同上 第34号 P.62〜68
5)増谷正幸 1989 上那賀町の鳥類 以下同上 第35号 P.32〜38,40〜42
6)増谷正幸 1986 眉山の鳥類 徳島県自然保護協会調査報告第5号「眉山」 徳島県自然保護協会 P.12,14〜16,22
7)岸本 豊 1984 地形図にみる徳島地誌(上)
8)板野郡住宅地図 1988 セイコー社

1)徳島市佐古六番町5の28


徳島県立図書館